皆さん、こんにちは。
本屋で長いこと目立つ場所に置いてある「すみません、金利ってなんですか?」という本を読みました。
私は日頃からお金のことは考えている方ですし、投資をする中で勉強した知識があるので、お金のことがまったくわからない!というレベルではないと自負しています。しかし、パラパラと目次を読んでみると、意外と小中学生に聞かれたら答えられないことが有りそう、と思い購入に至りました。
タイトルには金利という言葉が入っていますが、銀行・定期預金・源泉徴収票・年末調整・保険・年金・共済・・・など、大人として理解しておこうよ、というお金に関する基本的な内容が書かれています。
帯で「世界一・基本的なお金の本!」と謳っている通り、とても読みやすい本になっているのでお金の知識について全く自信がない人におすすめです。
Contents
大人として知ってくべきお金の超基礎知識
この本は、お金の知識が全くない編集者(本書の企画者)がお金のプロである元国税局勤務の筆者に、”お金に関するピュアすぎる疑問をぶつける”という会話形式になっているので、どんどん読み進めていけます。

こういう人って本当に多いと思います。お金は生きる為に必要なものであり、生きている限り必然的に話題になる話ですからね。
そういった疑問をぶつける編集者と筆者のやり取りが本当にピュア!だからことすんなりと頭に入ってきます。
金利を始め、年末調整や確定申告など、これまで聞いたことはあるけど、何をやっているのか説明してと言われたら分からない、、今更だけどそろそろしっかりと理解したいという大人はもちろん、中学生でも読める位には噛み砕いて説明されています。
詳しいことを学ぶには足りませんが、まずは日常生活のお金の不安が少しなくなる、何となく不安の正体が分かるくらいの知識を身につけるのに良い本かと思います。
本書のターゲットとしては、以下に該当するような人になると思います。
本書のターゲット
・内容が分からないまま年末調整の書類を提出している
・投資はそんなに興味ないけど株とかNISAってなに?
・銀行と信仰金庫、JAバンクって何が違うの?
・保険のことをどう考えれば良いか分からない
・金利の仕組みって知らない
etc
日常生活を送っている中でそういえば良く分かってないな、という内容を題材にしているので、完全に知識がない人に加え、私のように投資はしているけどそもそも分かってないことがあった!という発見がある人もいると思います。
筆者「小林義崇」のプロフィール
お金のプロとしてピュアな疑問に答えている筆者は、東京国税局に勤めていた小林義崇さんです。
学生時代まではお金に強かったわけではないようですが、東京国税局で所得税・相続税の税務調査や健康保険・年金の管理など担当し、現在はフリーライターとして税やお金に関する執筆やセミナーを行っている方です。
経歴を読んでほぉーと思いつつ、国税局ではそもそもどんな仕事をしているのか気になりました。笑
そもそも本書を書いている人のバックグラウンドを知らないと内容の信憑性が分かりませんからね!
そしてちょろっと調べたところ・・・
東京国税局は国税庁に属する組織であり、国税専門官として働くことになる様です。
国税専門官とは、税金に関する調査や指導を行う専門家のことです。
https://careergarden.jp/kokuzeisenmonkan/
個人や企業を訪問し、適正な税金の申告がされているか調査する「国税調査官」、税金の催促や財産差し押さえなどの滞納処分を行う「国税徴収官」、脱税を見つけ検察官に告発する「国税査察官」の3つに分かれます。
主に国税庁や税務署に勤務しながら、税金・法律・会計に対する知識を身に付け、税金のスペシャリストとして国の財政基盤を支えています。
毎年のように税金に関する法律は変わるので、日々情報をアップデートしながら仕事をする必要があります。
また、国税専門官として働くと税理士試験の科目免除が受けられる恩恵があり、23年勤務すれば税理士として登録することができるのが特徴です。
あくまで税金のプロという印象はありますが、税理士試験免除にもなるようにお金に関する全般的な基礎知識はあって当然という仕事のようですね。
23年で税理士として登録できるってのも面白い!試験科目のやりくりなどあるようですが。
学んだことメモ
まず私自身の前提知識としては、つみたてNISA・idecoを始めて3年目、確定申告は2年前から実施、個別株や米国ETFをほんの少しかじっており、投資やお金に関する情報は軽く気にしている、といった位です。
バリバリに詳しい訳ではないが、何も知らない訳ではないという状態ですね。(中途半端・・・)
このくらいの知識の人が学んだ内容としてご参考になればと思います。もちろん自分への備忘も兼ねてが大きいですけどね!
金利の決まり方
・1994年頃まで、日銀は「公定歩合」という指標に基づいて金融機関に貸し出す金利を設定しており、その結果として各金融機関の預金などの金利が決定していた。
・現在は、公定歩合と銀行金利が連動しておらず、日銀が「金融政策決定会合」によって市場の金利を調整する方針を決定し、その決定に基づいて「公開市場操作」を実施することで日本の市場全体に流通する紙幣の量をコントロールしている。
・日本の市場にお金が増えれば金利は下がり、逆にお金が減れば金利は高くなる。(お金があれば金利が高いと借りなくて良いので下がり、お金が無ければ金利が高くても借りるので上がる)

・金利は「長期」と「短期」が存在し、普通預金や1年未満の定期預金の金利に影響するのが「短期金利」で、ローンや1年以上の定期預金は「長期金利」に連動する。
<短期金利>
日銀の金融政策(公開市場操作)が影響
<長期金利>
「10年ものの国債」の金利が影響
医療費控除の適用範囲
・医療費控除の対象は国税庁のHPで確認することができるが、「治療を目的とした医療費」なら○、「予防を目的とした医療費」なら×が基本ルールとなっている。なので、予防接種などの代金は対象外となる。
・医療費控除の申告は「世帯ごとの計算」となる。収入が多い人の方が税率が高いので、節税効果を高めるために「共働き世帯の場合は収入がより多い人が世帯分をまとめて申告した方が通常はお得」。

税金=税務署だけではない
・税金の話と言えば「税務署」が思い浮かぶが、それだけではない。
・税金には「国税」と「地方税」があり、国税の管轄が税務署、地方税は市役所や県税事務所などが管轄である。
・代表的な税金の種類は以下の通り。
<国税>
所得税・法人税・相続税・贈与税・登録免許税・印紙税・消費税・たばこ税・航空機燃料税・トン税・・・。
<地方税>
住民税・事業税・不動産取得税・固定資産税・地方消費税・地方たばこ税・自動車税・入湯税・・・。
色々とある銀行の種類
・「ゆうちょ銀行」の店舗数とATMの数の多さは、他の金融機関に比べて群を抜いている。
・ゆうちょ銀行の各預金に預けられる金額には上限が1300万円と設定されており、もし上限を超えると、超えた金額は金利のつかない「振替口座」で管理される。なので、法人向けの金融機関ではなく、あくまで個人が対象となる。
・街中で見かける銀行の種類について、簡単にまとめると以下の通り。
<信託銀行>
お客さんから預かった財産を管理・運営して手数料をもらうビジネスである「信託業務」を行う銀行のこと。信託業務は金融庁から許可された金融機関しか行えず、信託業務を実施する全ての機関が○○信託銀行と名乗っている訳ではない。
最大の特徴として、株や投資信託、不動産などの財産も預かってくれる点や、遺言管理もサービスとして提供していたりもする。
<信用金庫・信用組合>
銀行ではないけどもほぼ同じ業務を行う金融機関。違う点は、会員や組合員からの出資金を元手に「お互いに助け合うこと」を目的とした非営利組織の金融機関であること。
法律によって利用者や利用額などが定められていることが特徴となる。
全国各地にある信用金庫、信用組合には営業エリアが決まっており、地域に根差した商売をしている企業や個人事業主が利用することが多い。
信用組合は、信用金庫よりさらに地域性が強く、小規模な企業をターゲットにしており、原則として組合員でなければ預金利用できない。
<JAバンク>
銀行ではないけども、JA内の「信用事業」という名前で銀行と同じような業務が運営されている。銀行の様な業務を行っている「部署」が存在するというイメージですかね。
<銀行>
銀行は株式会社であり利益を求め、株主の利益が優先される事業を行っている。なので上記の機関とは存在する考え方が異なる。
まとめ
繰り返しになりますが、本当に読みやすい本でした。
投資に関する話などは物足りない感はありますが、もちろんその部分を求めている訳ではないので初めて学ぶ人にもちょうど良いかと思います。
銀行の種類についてはそういえば知らないなぁの典型的なものでした。街中やCMで見かけて、銀行と同じようなものだろう位にしか考えたことがなかったですが、それぞれの存在意義について納得することができました。
この様なマネー入門書(日常生活を送る上で知るべきざっくりとした概要書とでもいいますか。)は初めて読んだ気がしますが、お金の基礎知識をチェックすることも、意外と知らなかったこともあり勉強になりますね。
それでは、ありがとうございました!